前回の Blog ですが、面白くもない内容なのに、沢山の方に読みいただきましてありがとうございます。
また、様々なご意見をいただき、全てのサイトを回って読ませていただきました。間違いなく今後自分を成長させる糧となることでしょう。。。
この仕事(セキュリティ対応)を 3 年も行っていると、何かが捻じ曲がり自分の考え方がネガティブな方向に走ることもあります。たとえば、更新プログラムをリリースした直後に新しいセキュリティホールが見つかったり、更新部分を解析して攻撃コードが出てきたり。。。そのたびにあたふた対応することがあります。もちろん日本はしっかりした体制で対応を行っているつもりですが、やっぱり気分的に落ち込みます。
そんな時、企業たるもの社会奉仕活動を重要視せねば!という社長の掛け声と共に、企業市民活動の一環として、コンピュータ教育開発センター (CEC) で行われている産業協力授業を行う機会をいただきました。しかも高校生にです!
最初は、「僕らセキュリティレスポンスチームが高校の授業を?冗談でしょう」-と感じたのですが、授業の流れを考えているうちに、川柳では難しかった「ご家庭でパソコンを使っている方々」と触れる機会を得るチャンスであり、今後のセキュリティの取り組みへのヒントが得られるのではないかと思ったのです。
想像していた通り、授業の構成から教科書作成に必要な作業が結構大変でしたが、多くの協力者のお力添えで、なんとかコンテンツも授業内容も、目玉となる擬似ウイルスやリモートからの侵入デモなども準備ができました。デモンストレーションは、高校の既存環境に影響を与えないように、ターミナルサービスで講師用コンピュータ内に閉じた実験環境を用意しました。
高校の授業では本当に素晴らしい体験をさせていただきました。
日ごろ IT Pro の皆様にいろいろなお話をさせていただく機会を頂いていますが、パソコン自体理解していない(する必要もない)方に、情報を扱うモラルを理解していただくための説明が如何に難しいか。
高校生は微妙な年代ですが、基本的に現実の世界ではご両親や、地域が彼らを守ってくれます。先生も指導してくれます。が、そんな彼らがインターネット上では完全に対等な状況で活動をしているわけです。私達プロフェッショナルが、彼らに伝えられることは技術だけではなく、そもそもの考え方や文化の醸成なども在るのではないか、と感じました。
生徒さんからは、(社交辞令かもしれないけど)”インターネットって気をつけないと怖いってことが良く分かりました” と言う意見と、”対策して頑張りまーす” っていうコメントを頂いて、本当に担当させていただいてよかったと感じています。
実はこの授業で使ったコンテンツなどはそのまま高校の授業でご使用いただけます。全国の高校生は、381 万人いるわけですが、もしも授業の中で情報セキュリティのお話を先生がしてくれたら。。。何かが変わるかもしれません。
授業の満足度の結果を見ると、希少性としてはそれほど高い授業ではなかったとの評価を頂きました。でも実は私達はそれを狙っていたのです。全国の先生は、本当に忙しい状況で、IT 分野など大学受験には影響しないわけですから、重要度は下がります。でも、誰もが行える難易度で、かつ内容が分かりやすければ、ちょっと時間を取ってみようか、と思ってくれるかもしれません。
難しい話をすることがセキュリティではないですし、かのブルース シュナイアー氏も ”セキュリティは製品ではなく、プロセス” と表現しています。インターネットに組み込まれたパソコンを使用する人自身がシステムに溶け込むわけですから、同様にプロセスも理解していただくのが本来あるべき姿だと再認識しました。
(あまり見ていただけてないかもしれませんが)社内のセキュリティ対策に問題意識を持っているみなさん、社内の啓発活動に重要なことは、だれもがわかる言葉でだれもが理解できる内容というのがヒントではないでしょうか?必要性が最初に理解できれば、自発的に対策を始めてくれる、かもです。セキュリティポリシーの資料などは、正式版と理解促進版の 2 種類あるといいかもしれません。甘いかな。
SRT 奥天