コミュニティチームの沼口です。(今回も長文ですみません、、、)
前回、「それは良かったのか、悪かったのか?」というお題で、数字の話をマイクロソフトの入社して学んだこと、、としてご紹介させていただきました。
同様にマイクロソフトに入社して驚いたことのひとつに「お客様満足度調査」をかなり頻繁に行い、その結果についてスティーブバルマーら本社のエグゼクティブからかなり厳しいレビューを受けていることを目の当たりにしたときは正直「え、マイクロソフトって、顧客満足を見ていたんだ、、、」と真剣に驚きました。
ええ、もちろん当時私が驚いたように、今でも「え?」と思われる方も多いかもしれませんが、社内の議論のかなりの時間を「お客様満足度調査」の結果分析、そして次の改善・活動計画に費やしているのは事実です。
私は 1997 年にマイクロソフト株式会社に入社したのですが、その当時、コーポレートサポート本部(企業向けテクニカルサポート部門)のビジネスマネージメントを担当することになりました。そのころの顧客満足は Customer Satisfaction という名称で、主にテクニカルサポート部隊(この時期は企業向け、コンシューマー向けの2つのサポート本部がありました)での重要な指標になっており、前回のブログでご紹介したとおり、満足度の数値についても、良いのか、悪いのか、悪いなら何が問題で、その問題を解決するためには何をすべきか、そのためのリソースはどんなものが必要で、何が障害になっているのか、、、ということを、ビジネスマネージメントチームは現場のサポート部隊と話し合いながらサービスの向上、お客様からの満足の獲得(いえ、お客様への満足の提供という言い方が正しいですが)を目指していました。
1997-2000 当時は「顧客満足」といえばサポート部門「だけ」の指標、、、という意識が全社的にあったのは否めませんが、2001 年から Customer & Partner Loyality という名称を使うようになり、お客様そしてパートナーの皆様がマイクロソフトに対してご満足いただいているかどうかが全社的な指標として採用されるに至りました。現在は Customer Partner Experience (CPE) という名称を使っていますが、いずれもお客様そしてパートナーの皆様にすばらしい満足(経験)をどう提供するか、ということを部門を横断しての全社目標として、さまざまな活動が行われています。
上記の仕事にかかわるうちに気がついたことなのですが、こと外資系においては「数字の意味するもの」というのはすべてであり、それによって多くの投資や、場合によっては中止が決定される、ということでした。例えば 「総合満足」または「全体への満足」への考え方なのですが、私たち日本で生活している者の考えとしては総合満足は各設問の「積み上げ」での換算をすると思います。よって、いくつかの設問がある中で「全体への満足」というものは、他の設問の数値よりも高くなることはない、となりがちです。また、叱咤激励の意味で「ここで良い点数をあげると努力しなくなるかもしれないので、がんばれの意味をこめて点数を辛めにしました」というコメントをいただくこともあります。
この数年間の社内の業績評価・報告会を通して、「全体への満足」「総合満足」というものは、そのプログラムやサービスそのものの「存在価値・お客様からの期待値」を聞いているに等しい、ということに気がつくまで結構な時間がかかりました。本社エグゼクティブの感覚では個々の設問で厳しいご意見をいただいたとしても、それはすばらしいフィードバックであり、それを徹底的に改善していく、というのが我々の使命である、というものでした。逆をいえば、総合満足、全体への満足が低い場合の判断は、そのサービスや活動を継続する価値なし、お客様はそのサービスを望んでいない、という判断をされる場合があることでした。
例として、20%の方が満足で、残り 80% の方が不満と思われているサービスがあり、そのサービスの対象となるお客様の数が100万人いたとした場合、今でもはっきり覚えているエグゼクティブの言葉が「年間 80万人の不満なお客様を作るくらいなら、そのサービスは止めたほうがいい!」と明確に言われたことでした。そこで「いえいえ、これは叱咤激励の意味を含めて、日本のお客様は辛い点数をつけるんですよ」「多くのお客様はこのサービスを継続して欲しいと思っていますよ」といっても、次にくる質問は「ではそれを客観的に証明できる数字はどこにあるのか?」となるわけです。
たしかに日本(とドイツ)は品質に対する評価レベルが他の国に比べて高い、ということは本社エグゼクティブも含めて周知の事実なのですが、その文化的背景の「説明責任」を負うのはかなり厳しい仕事になるわけです。この品質の話をすると、「品質に関する設問への評価が低いのはわかるが、総合満足度が低いのはなぜか?」となり、総合満足のドライバー(総合満足に大きな影響を与える設問)は何で、その関係は、、、、と、理論武装が必要になるわけです。
これは、たとえ総合満足で「良いご評価」をいただいても同じで、「何がドライバー」で、「どの部分が改善ポイントとして残っているか」を徹底的にレビューされるのです。しいて言うならば、良い評価から「下がった」時が本当の地獄だったりします、、、。
そして、実は、一番困るのは、各設問で「良くも無く、悪くも無く」というご評価ばかりになると「何を重点項目として行うのか」にメリハリがつかなくなることでした。
で、、、(というのが、パターン化してきましたが、、、)
現在、MVPアワード受賞の皆様には年に2回行われる MVP プログラムへの満足度調査が行われています。上述のようにこの調査結果が、これまでMVPチームが行ってきた活動に対するご評価となり、次の重点施策策定のための重要なデータ、内容となります。このアワードプログラムを継続して行う価値があるのか、あるとすればどの部分を徹底的に改善すべきか、これを皆様からいただくことで、施策の確定、予算の確保、、、とつながります。
MVP の皆様には、お忙しいところ大変恐縮ですが、是非この調査にご協力いただきたく、また、多くの皆様にはマイクロソフトはこのようにお客様のフィードバックを活用しているという点をちょっとだけ知っていただけるとうれしい限りです。
なお、、これも改善ポイントなのですが、調査の中でいくつか「わからない社内用語」「変な日本語」がこれまでもありました。もしそのようなものがありましたら、お気軽に担当のMVPリードもしくは私でも結構なのでお問い合わせいただけると幸いです。(この日本語の話もかなり長いネタになるので、いつかご紹介したいと思います)調査期間は今月の15日までです。よろしくお願いいたします。